2012-07-29

残穢

残穢
残穢
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小野 不由美
新潮社
売り上げランキング: 167

小野不由美の9年ぶりの書き下ろし。
『屍鬼』から気になっている作家だが、娘が呼んでる『十二国記』は実はあまり得意ではない。が、今回はタイトルからしてホラーものなのでかなり期待して読んだ。

内容的には、怪談収集している作家が、たまたまある怪談を調べてみると次々と別の怪談と事実と繋がっていき、最後は大元となった怪異と背後にある事実が浮かび上がってくると内容。

実は怪異はすべて収集した怪談など伝聞の形で登場する。そして、最後にいたるまで怪異や幽霊など恐ろしいものが登場することもない。ところが、物語は主人公がホーラー作家ということ、そして現実離れした怪異が直接登場しないことで、物語は作者の実体験でノンフィクションを読んでいる感覚になってくる。
そうすると、怖いのである。
全体がノンフィクションということは、伝聞の形で登場する怪談も少なくとも語り部たちにとっては「ノンフィクション」だからである。

そして、最後は一連の怪異の連鎖のキーとなるある事実にたどり着くのだが、それは限られた事実ですべてが判明した訳でもなく解決した訳でもない。が、そこで終わる。なんだか釈然としないが、終わる。

主人公のような作家の怪談についての調査とはそんなものなんだろうなと思う。もう、ここで完全にノンフィクションを読んだ気持ちになっている。あとがきも解説もなく、これがノンフィクションなのかフィクションなのかわからないまま読み終わった。
釈然としないが、怖い

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