スキップしてメイン コンテンツに移動

暗黒大陸 中国の真実

最近復刊された『暗黒大陸中国の真実』という本を読んだ。 約70年前、つまり戦前にかかれた本で、著者は元上海・福州副領事のラルフ・タウンゼントという米国人。論調としては、当時の中国の国、そしてその国民性、民族性を多くのエピソードで語りながら、当時の欧米での中国の評価とその中国擁護の外交施策に警鐘を鳴らしたものだ。
暗黒大陸中国の真実
ラルフ・タウンゼント著・田中秀雄訳・先田賢紀智訳

出版社 芙蓉書房出版
発売日 2004.07
価格  ¥ 2,415(¥ 2,300)
ISBN  4829503459

bk1で詳しく見る オンライン書店bk1
個々のエピソードが事実だとしても、それらからの中国人に対する著者の見方にはある種の偏見があるであろうことは否めない。それほど、厳しい見方が展開されている。対して、日本人に対する評価は非常に高く、戦前の日本を擁護する姿勢が強くでている。これを真珠湾攻撃以降も主張し続けたというのだから、戦中拘束されたというのもわかる気がする。 当時の中国や世界情勢に詳しいわけではないし、すべてが正しいとらえられているとは限らない。著者の偏見に多少ゆがんでいたのかもしれないことは肝に銘じておくべきだろう。本書だけを読んで「あぁ、中国って」という思いや考えを抱くのは非常に危険だと思う。ただ、当時のあるレベルの知識人が肌で感じた中国の姿の一つであることは事実である。確かに耳に新しい話が多いと感じる。これもこういった情報は戦中、戦後の経緯で正しく世に出づらかった事情もあろう。われわれも、こういった状況を認識した上で一つの情報としてきちんと接すべきであろう。 そういうことを承知であえて感想を書くと、本書の内容を読みながらまるで今日の中国のようだと感じた。こういう感覚は、私だけではないだろう。現在、仕事上中国との交渉や協業をすることが多いが、程度の差こそあれ本書で描かれた中国人像が色濃く残っているなと共感する部分は多い。アジアアップでの騒動を除外しても、やはりそこには「反xxx」に狂う中国とそれにおもねる米国と「列強」が。 当時は無策に日本は立ち上がってしまった訳だが、「さて、今度は?」と考えてしまう。

コメント

このブログの人気の投稿

Google Calaboration

GoogleがCalDAVプロトコルを完全サポートさいた Calaboration を発表した。 まだ、Google Codeの扱いだが一部では大変な騒ぎになっている。 Calaboration を使用すると、設定をするだけでGoogle Calendarのスケジュー ルをiCalにエクスポートでき、そして双方向に同期させることができるという Macユーザーにとっては大変便利な機能を提供してくれるユーティリティ。 騒ぎになっているのは、 Spanning Sync のユーザーフォーラム。 なにせこのソフトはGoogle CalendarとiCalを同期させるというもの。全くバッ ティングしている。多くのユーザーが「Spanning Syncと何が違うんだ? どっ ちがいいんだ? Spanning Synはどうなるだ?」という質問の書き込みを始め た。 Spanning Sync Blogでは、「 How Does Google CalDAV Compare to Spanning Sync? 」という記事が掲載されたが、そこで主張されている違いは以下のような点。 大きな違いはコスト。 Googleは無料だが、Spannning Syncは年間利用料が必要であること。でも、わ たしは永久ライセンスを購入してしまったので関係ない。 iPhoneサポート。 GoogleのCalDAVを使った同期では、iPhone上で予定がread onlyとなって編集 できないとのこと(わたしは設定していないので未確認)。Spanning Syncで はGoogle Calender、iCal、iPhone上すべてで予定を編集できる。 カスタマーサポート。 たしかにGoogleが何かやってくれそうな気はしない。Spanning Syncはお金払っ ているしね。 コンタクトリストの同期。 Googleが提供していない機能として、Spanning SyncはMacのアドレス帳と Gmailのコンタクトを同期してくれる。アドレス帳の画像まで含めて同期して くれるのは驚きだ。もっとも日本語の場合は姓と名が逆転してしまうが、これ は姓名を分けて持っているアドレス帳と姓名を1フィールドで持っている Googleの違いから仕方がないだろう。Googleではないが

Scrivener 日本語チュートリアル

(2022-01-11) 以前からコメントをいただいていましたが、反応できていなく申し訳ありません。 問い合わせが多いので、以下のブログに転載してチュートリアルもダウンロードできるようにしました。 転載先 先日から[試していたScrivenerだが、すっかり気に入り勢い余ってチュートリアルの日本語訳版を作ってしまった。 作者にコンタクトしたところ、「どうぞ、公開しておくれ!」と快く承諾をもらえたので公開しておく。 チュートリアル自体はわたしが慣れないBritish Englishで書かれているため、微妙なニュアンスは違っている箇所があるかもしれあない。また、チュートリアル自体に関係ない言い回しなどは、端折ったり日本語に合うようにゆがめたりしている。誤りがあれば指摘ください。 Scrivener-Tutorial-Japanese.dmg(リンクを切りました。転載先をごらんください。) ちなみに作者のKeithは豪気にもライセンス進呈を申し出てくれたが、入れ違いで購入してしまっていたわたし…… (2010-09-20) 「 design non design 」で紹介いただきました。

EagleFiler is the best organizer software on MacOS X

しばらく放置気味だった Journler をまじめに使おうかと検討していましたが、どうも昨年の7月くらいから開発が止まっている節が感じられます。たくさん文書はリソースを保管した挙げ句に、製品として終わってしまうとかなり悲惨な痛手を被りそうな予感がします。 そこで、以前のバージョンを購入した MacJournal がアップグレード可能なので検討しました。が、 Journler のようにDocumentフォルダでなくデータを~/Library/Application Support/MacJournalに置くのが問題です。これではSpotlightに引っかからないし、バックアップも面倒です。このため、 MacJournal は選択肢から落としました。 いろいろと考えて行くと、 Journler には大きく2つの役割を期待していたようです。 日誌 日々ネットで入手した情報のアーカイブ 前者については別にブログもあるので、問題を棚上げにしました。その上で、後者をサポートできるアプリケーションを探すことにしました。 以前からこの分野では Yojimbo が有名です。 少し触ってみましたが、どうもインターフェイスがしっくり来ません。ソフトのネーミング("Yojimbo"="用心棒")もどうもフィーリングが…… 次に検討したのは、 Together 。 以前はKIT("Keep It Together"の意)と称していたようです。アップデートも頻 繁で勢いを感じます。インターフェイスも一般受けしそうで優れたものだと思 いますが、どうもこちらもネーミングでルー大柴を思い浮かべてしまって…… 結局、C-Commandの EagleFiler というソフトに落ち着きました。 EagleFiler は、F1キーでとにかくブラウザに表示されているものを取り込んでしまえます。標準ではWebArchive形式ですが、スタイルシートなどが外部に依存したままとなるのでわたしはPDF形式で取り込むようにしています。標準でRTF、Plain Text, HTML,PDFなどがサポートされています。また、他の同様のソフトにない機能としてメールがeml形式でそのまま取り込めのは非常に便利な点です。