フルハルターで万年筆を買う
久しぶりに大井町のフルハルターに行ってきた。最近の森山さんのお薦めらしいPilot 823ブランジャーが、気になって仕方がなかったのでお願いしてきた。仕上げは、年内は無理らしく年明けになるそうだが気長に待つことにする。
最初のお店に伺ったのは婚約でもらったモンブランのアガサ・クリスティーの調整をお願いしにいったときだろうか。もう10年近く前だ。まだ、当時はお店ができたばかりだったように思う。丁度NHKの取材が来ていてカメラが回っていたりして、ただの客の一人なのになんだか緊張した。その翌年くらいにもう一本ペリカンの#600を新調してもらった(このペンは紛失してしまったが)。
8年ぶりに訪れたお店は4人しか座れないソファが一杯で、私が伺ったときには丁度お一人がお帰りになるところでかろうじて店内にはいることができた。地方から来たらしい初心者という二人が緊張した様子で何本も万年筆を試し書きを、一人は持参したペリカンでくっきり書けないと調整を依頼しているようす。森山さんは丁寧に、時には厳しく相談に乗りながら求める調整、万年筆を探っている様子だった。8年前に比べるとさすがに白髪も増え年を取られたなと感じたが、以前よりも鋭くなられた感じ。
Pilot823プランジャーのほうは、コースを研ぎ出したものを試し書きさせてもらったがインクの出が悪く書き出しがスムーズでない。ここまで太字になると特殊な書き方が必要かと思い聞いてみたが、どうも質問を別な風に取られてしまったようで話があらぬほうに。結局、しばらく遊んでいたらスムーズにインクが流れるある角度があることに気が付いた。そこに決まるとヌラヌラといい感じでペン先が滑っていく。で、これに決めてお願いした。お願いすると、住所と名前を書くように言われる。書いている様子を見てくれているので、かすれるのにかまわずいつもの自分の書き方でペン先を運んでいく。途中前を横切ろうとしたお客さんを制して集中するほど、森山さんは凝視している。結構緊張するものだ。
来年になるだろうが、仕上がりが楽しみだ。
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