ランドックの刻印

ランドックの刻印 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-119 グイン・サーガ 119)
栗本 薫
早川書房 (2008/02)
売り上げランキング: 417

「アウラ」についでシリーズで重要なキーワードとなっている「ランドック」がついにタイトルに。

10巻近く続いていた記憶喪失編もこれでピリオド。
だが、なんとなくすっきりしない。記憶喪失自体はもともとこの物語の発想が「コナンシリーズ」に刺激されたヒロイックファンタジーとして出発しているのだから、主人公があるとき記憶や地位などを一切失しなって一から冒険を求められるというのは伝統ではある。だが今回はどうだろう。10巻分が無かったことになっただけ……

また、古代機械に入ったとき古代機械のグインの扱いにかなりグインが何者であるかの示唆が示されている。だが、個人的にはかなり違和感あり。1960年代のSFを読んでいるよう。この人はSFは書かないほうがよい。

本編も長い歴史の中でなかなか衝撃的な進展を見せた巻だが、「あとがき」もかなり衝撃的。作者の栗本薫さんが胆管癌(後に神楽坂倶楽部で膵臓癌であったとの記事)との告白がありビックリ!

まだまだ物語は終りそうにないし、早く健康を取り戻していただきたいものである。いっそのこと、今回の巻で古代機械にグインを入れた際、そのまま古代機械を動かしてノスフェラスへ、且つ時空も越えて過去へグインを転送してしまったことにして、「一巻に戻る」とかって落ちではダメ……だよね。

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