『ナツメグの味』

タイトルに惹かれて手に取ったジョン・コリアの短編集『ナツメグの味

ナツメグの味 (KAWADE MYSTERY)
ジョン・コリア
河出書房新社
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タイトルからもう少しほのぼのとしたクラシックな内容を想像していたが、わたしの中では阿刀田高さんのブラックな短編集に近い印象だ。短編作家として一番活躍した時代は1920-40年代らしいので、このブラックさをその時代に発揮していたのには驚かされる。この感覚は今読んでもある種の新しさを感じさせてくれる。

ブラック一辺倒という訳ではなくて、不思議な話やなんだか前向きな話もあったりして作品の幅が広くそういう意味でも楽しめる。(結末が「??」と理解に苦しむものもあり、この辺は時代のズレか自分の理解力不足か……)しかし、いずれも短編の結末の後に余韻を残し、そして多くの作品は更に後の皮肉な展開を想像し、読者をついニヤリと善良でない笑みに引き込む。

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