Scaler3で作曲支援

先日発売されたScaler3ですが、音楽理論を知らなくても 作曲や編曲ができると話題なので購入してみました。

By Toshiyuki Yoshida

Scaler3

Scaler3とは

Scaler3は音楽理論やコード理論 がわからなくても凝ったコード進行が作れる作曲支援ソフトです。

裏では音楽理論に基づいて適切なコード進行を提案してくれるの その中から気に入ったコードをどんどんドラッグしてコード進行を作っていけます。

「コードに合う違和感のない音はどれか」「コード進行で冒険したいが、このコード は適切か」といったプロでも抱えてしまいそうな悩みを解消してくれます。

Scaler3を検証してみた

今回は既存のメロディを取ってきて Suggest 機能に従ってコード進行を作ってみまし た。使用したのは The Bangles の"Eternal Flame"です。

また Scaler3 から追加されたアレンジ機能を使って伴奏を付けています。 ドラムの生成機能はないので、ドラムだけは Logic Pro の Player 機能を使っています 。

前半が Scaler3 で生成した伴奏、後半がオリジナルのコード進行に従った伴奏です。

オリジナルは、G Major で次のようなコード進行です。

G Em7 | C D | G Em7 | C D | Em B7 | Em7 A7 | D Bm7| Am7 

ですが、 Scaler3 でもっともノートとコードにのマッチ度が高かった B Phrygian Mode でコードを構成してみました。

  Bm G | C D | Em G | Am G | Em7 Dsus2 | Bm Em | A7 D| Bm7 

メロディから判断され推奨されるコードはブルーで示されますが、 メロディをすべてマッチするわけではないんで、実際は推奨コードから試しながら 決めていくことになります。しかし、何も参考にせず自分で考えるより数倍生産性は上が ります。

オリジナルのほうが安心して聞ける印象ですが、 Scaler3 で作ったコード進行もちょっと印象は違っていますが、まぁ成り立っているのではないでしょうか?

多分、メロディからコードを作るより、コード進行を Scaler で練って、 メロディを提案してもらったほうがうまく働くと思います。

まとめ

Scaler3 は「音楽理論の知識」と「直感的な操作」のバランスが絶妙なツールです。

🎯 習得難易度について

完全な素人には難しいものの、基本的な音楽理論(メジャー・マイナー、ダイアト ニックコードなど)を理解していれば十分活用できます。 転調の提案など高度な 機能については、理論と感性のバランスを取りながら使い分けることが重要です。

💡 Scaler3の真価

最大の価値は 「0→1の創作支援」 にあります。白紙の状態から音楽理論に基づ いた膨大なコード進行のアセットを参考にできるため、創作の起点として非常に強力 です。また、安全圏を抜け出した「冒険的なコード進行」への挑戦も、理論的裏付け があるので安心して試せます。

🤖 AI作曲時代における位置づけ

AI が楽曲を自動生成する時代になりましたが、創作者が主導権を握りながら音楽理 論の恩恵を受けられるScaler3のようなツールは、まだまだ重要な役割を果たすでし ょう。 完全自動化ではなく、人間の創意工夫とテクノロジーの協働による作曲ス タイルは、今後も価値を持ち続けると考えられます。

結論として、Scaler3は音楽制作の生産性を大幅に向上させる優秀なパートナーツールです。