Claude Code MCPセットアップガイド:Inkdrop統合の実践

Claude CodeでInkdrop MCPサーバーを設定し、リモートMCPサーバーとして統合する手順を詳しく解説します。実際のセットアップから高度なワークフローの実演まで、ステップバイステップで紹介。

By Toshiyuki Yoshida

5 月 Claude Code が正式リリースされて以来手放せなくなっています。 Anthropic の ブログに"Remote MCP support in Claude Code" という記事が掲載されました。

早速 Claude Code で Inkdrop MCP サーバーを設定し、リモート MCP サーバーとして統合 する手順を実際にセットアップしながら検証してみました。単純な設定から高度なワ ークフローまで、実践的な内容をまとめています。

MCPサーバーの追加

Claude Code に Inkdrop MCP サーバーを追加するには、以下のコマンドを実行します。

claude mcp add inkdrop /Users/hogehoge/bin/inkdrop-mcp \
  -e INKDROP_LOCAL_SERVER_URL=http://localhost:19840 \
  -e INKDROP_LOCAL_USERNAME=hogehoge \
  -e INKDROP_LOCAL_PASSWORD=***************** \
  -s local

このコマンドの設定は次の通りです。

  • inkdrop:MCP サーバー名
  • /Users/hogehoge/bin/inkdrop-mcp:実行ファイルパス
  • -e:環境変数の設定(サーバーURL、認証情報)
  • -s local:ローカルスコープでの設定

設定の確認

追加した MCP サーバーが正しく設定されているか確認します。

# MCPサーバー一覧の表示
claude mcp list

# 特定のMCPサーバーの詳細確認
claude mcp get inkdrop

正常に設定されていれば、以下のような出力が表示されます。

inkdrop:
  Scope: Local (private to you in this project)
  Type: stdio
  Command: /Users/hogehoge/bin/inkdrop-mcp
  Environment:
    INKDROP_LOCAL_SERVER_URL=http://localhost:19840
    INKDROP_LOCAL_USERNAME=hogehoge
    INKDROP_LOCAL_PASSWORD=************

Claude Codeでの動作確認

Claude Code を起動して MCP サーバーとの接続を確認します。

claude

Claude Code 内で /mcp コマンドを実行すると、接続された MCP サーバーの状態を確認できます。正常に接続された場合は、次のような結果になります。 接続状況とどんなコマンドが利用可能か確認できます。

❯ 1. inkdrop  ✔ connected · Enter to view details

Status: ✔ connected
Command: /Users/yostos/bin/inkdrop-mcp
Capabilities: tools · prompts
Tools: 7 tools

利用可能なツール:
1. read-note
2. search-notes
3. list-notes
4. create-note
5. update-note
(他2つのツールあり)

実際の使用例

基本的な検索機能

明示的に Inkdrop を指定することで、MCP ツールが確実に呼び出されます。例えば私は Inkdrop 内に flac のエンコーディング方法をまとめているので、以下のような出力が 表示されます適切に該当するノートを読み取ってくれました。

Inkdropの"Tech Tips"から適切なflacファイルの作り方を検索して、示してください。

この指示により、以下の処理が自動実行されます。

  1. search-notesでキーワード検索
  2. read-noteで該当ノートの内容取得
  3. 結果の整理と表示

高度なワークフロー実演

より複雑な処理として、ブログ記事の管理を試してみました。

このブログプロジェクトから、2025年5月と6月の記事を確認して、
タイトル一覧をInkdropのInboxノートブックに新ノートとして作成してください。

この指示では以下の処理が連携して実行されました。

  1. ファイルシステム分析:記事ディレクトリの探索
  2. 並列処理:5 月・6 月を別々の Task エージェントで同時処理
  3. 内容解析:各記事のタイトル抽出とカテゴライズ
  4. MCP統合:分析結果を Inkdrop に保存

結果として 24 記事(5 月 13 件、6 月 11 件)のタイトル一覧が自動的にカテゴリ別に整理され、Inkdrop に新規ノートとして作成されました。

セットアップのポイント

明示的指示の重要性

「Inkdrop の...」という明示的な指示により、Claude Code が MCP ツールを確実に呼び出します。曖昧な指示では期待通りに動作しない場合があります。

自動ツール選択

Claude Code は文脈に応じて適切な MCP ツールを自動選択し、複数のツールを連携させて処理を完了します。

複合タスクの処理能力

ファイルシステム分析、内容理解、MCP 統合といった複合的なタスクを自動化できるのが Claude Code の真の能力です。

まとめ

Claude Code と Inkdrop MCP の統合により、以下のメリットが得られます。

  • コード開発中のメモ参照:開発中に Inkdrop のメモを即座に検索・参照可能
  • プロジェクト分析の自動化:コード分析結果の知識ベース化
  • ワークフローの完全自動化:複雑な処理を単一の指示で実行

MCP を軸とした Claude 連携の実例

実は、この記事の制作プロセス自体が MCP 統合の真価を示しています。

  1. Claude Desktop での検証設計:セットアップ手順の相談と検証方法の策定
  2. Claude Desktop による知識蓄積:検証結果を MCP 経由で Inkdrop のノートに整理・保存
  3. Claude Code による記事生成:MCP 経由で Inkdrop から検証ノートを読み込み、ブログ記事として再構成

このワークフローでは、Claude Desktop と Claude Code が同一の Inkdrop を MCP サーバーとして共有し、知識の橋渡し役として機能しています。単体のツール利用では不可能な、複数の Claude 環境を跨いだ継続的な作業が実現されています。

この統合は、開発プロセスにおける知識管理と自動化の新しい可能性を示しており、MCP を軸とした Claude エコシステムの真の価値がここにあります。