終わらない物語:『ストレンジャー・シングス』へのオマージュ
『Stranger Things』シーズン3最終話で、極限状況の中で響いた Dustin と Susie の『Never Ending Story』。あの瞬間が持つ温度と余韻を、楽曲の再現を通じて振り返ります。
By Toshiyuki Yoshida
『Stranger Things』の最終話を見終え、私はまだ余韻に浸っています。
物語全体を振り返ると、私の中で最も鮮明に残っていたのが、Dustin と Susie が無線越しに歌う、あの瞬間でした。 その記憶をもとに、あの曲を再現してみました。
あのシーンが描かれるのは、 シーズン3・第8話(最終話)「スターコート・モールの戦い(The Battle of Starcourt)」。 世界の命運がかかった極限状況の中で、Dustin が必要としていた数式の答えと引き換えに、Susie が求めたのは 『The NeverEnding Story』を歌うことでした。
緊迫した展開を一時停止させるように、無線から流れ出す歌声。 その軽やかさと素朴さは、80年代カルチャーへの愛情と、 『Stranger Things』という作品が持つ遊び心そのものだと感じています。
無線越しに届く声の距離感や、少し不揃いな間。 そして「本来ならありえない場面」が生む温度は、なんとも言えない余韻を残すシーンでした。
終わってしまった物語と、終わらない記憶のあいだに置かれた、ささやかな再現です。