アニメ「うる星やつら」エンディングテーマ「心細いな」
アニメ初代「うる星やつら」第2代目エンディングテーマ 「心細いな」をギターでコピーしました。 小林泉美や星勝など当時の第一線の制作陣による 楽曲の魅力と、新生活の頃の思い出を綴ります。 1980年代のアニメ「うる星やつら」の 第2代目エンディングテーマ「心細いな」を コピーしてみました。 この曲は第22話(1982年4月)から 第43話(同年9月)まで使用された第2代目のエンディングテーマ曲です。 大学受験の最中もこのアニメだけは 欠かさず観ていました。この曲が流れ始めた 時期は、ちょうど故郷を離れて慣れない 大学生活が始まった頃と重なります。 ファンだった高中正義のバンドにも参加していた 小林泉美による楽曲で、トロピカルな曲調と 「心細いな」というタイトルが相まって、 新生活への期待と不安が入り混じった あの頃の気持ちを思い出します。 アニメの主題歌ですが、 1980年代初頭の日本のポップス/ フュージョンシーンで第一線にいた人材が 集まって制作された曲です。 作曲は、「うる星やつら」前期の楽曲を ほぼ一手に担っていた 小林泉美(MIMI)さんです。 EastWest'761の審査員だった 高中正義からバックバンドへ誘われ、 キティーレコードへ移籍しました。 当時キティ・フィルムが 「うる星やつら」の制作に参加しており、 楽曲制作にも声が掛かったのでしょう。 高中正義バンドだけでなく PARACHUTE(パラシュート)や THE SQUARE(現T-SQUARE)からも 加入を要請されたほどの 実力派キーボーディストでした。 当時のアニソンはオーケストラ編成が常識で、 歌詞に主人公の名前や必殺技を盛り込むのが 定番でした。しかし小林が当初提出した 3曲のデモはどれも打ち込みで、 フジテレビ内では大悪評だったそうです。 歌詞もキャラクター名を一切使わない 抽象的な内容でした。 今ではこうした試みがアニメソングの 転換点だったと評価されています。 編曲はモップスのギタリストだった 星勝さんです。井上陽水、RCサクセション、 小椋佳、浜田省吾など、当時の日本の ロック・ポップスの名作を数多く 手がけた方でもあります。 スティールドラムを多用したアレンジは、 トロピカルポップが得意だった小林泉美の 作風と見事にマッチしています。 現在配信などで聞ける「心細いな」は 同シリーズの他の曲も歌っていた松谷祐子さん バージョンですが、当時エンディングでは ヘレン笹野 さん が歌っているものが使われていました。 本名はヘレン・ジーン・ミスリンスキーです。 ポーランド系アメリカ人で母が日本人のようです。 米国で生まれ相模原の米軍キャンプで育ち、当時は バラエティ番組のアシスタント等の芸能活動されていました。 キティミュージック所属だったのが縁でキャスティングでしょう。 歌唱力は歌手の松谷さんには及びませんが、ネイティブっぽい 発音やイントネーションがこの曲にマッチしていました。 1982年当時日本のアニメのエンディングにレゲエ調の曲が使用されることはかなり異例で、 しかもスティール・ドラムやパーカッションを多用した本格的なトロピカル風味なのです。 当時音楽としても時代の先を走っていたアニメ「うる星やつら」の先進性がよくわかります。 イントロでは ヴァース部分は ブリッジ(「宇宙で一番の浮気な男の子」)も サビ(「心細いな」の部分)は 今回のコピーは正確な再現ではなく、 曖昧な記憶を頼りに雰囲気だけを なぞってみました。コード進行は ChordWikiを参考にしましたが、 オリジナルとはキーが違う気もします。 スティールドラムは打ち込みで、 ギターも雰囲気重視のコード弾きです。
制作陣の凄さ
楽曲の特徴
A7 → D → F#7 → Bm → A7 → D → Gm/C2という進行で、Dと Bmが平行調で、この行き来が上手くトロピカルな明るさと切なさを共存させています。Bm → F#7 の繰り返しが基本で、F#7のドミナントがBmに解決する動きが反復されることでレゲエ的な「ゆるく揺れる」グルーヴを支えています。Em7 → DM7 → Em7 → Bm7 → Em7 → DM7 → C#7 → F#7 と展開で、ここでも平行調の DM7とBmを生かして「マイナーキーの切なさ」と「メジャーキーの明るさ」の間を行き来しつつ、ダイアトニック内のコードで転調感なく自然な響きの進行です。Bm → Em7 → F#7 → Bm の循環で マイナーキーの最も基本的なケーデンスですが、 3/4拍子など変拍子を使うことで、 シンプルながら強い印象のサビになっています。