About Micro.blog
目次
Micro.blogとは
Micro.blogは、2017年頃にKickstarterでクラウドファンディングされていて、当時興味を持ってBackしていたプロジェクトです。
2012年頃からTwitterがサードパーティのクライアントに制約を加え始めたので私は見切りをつけてApp.netの使っていましたが、2017年3月にApp.netのサービスが終了してしまい、私はその代替を探していた頃でした。
Micro.blogの思想は、エッセイ「Indie Microblogging」によく現れています。
特徴は、次の通りです。
- 新しいコンテンツがトップにあること1
- Feedを持つべき
- RSSアイテムのタイトルがない
- 短い投稿テキスト
- 自身のサイトで個人ドメインを奨励。独自ドメインを使用する人が増えれば、必然的に Web の分散性も高まる
- コミュニティの形成(Micro.blogは全体のポストがフィードされる)
- 集中型プラットフォームでなく、既存のブログがマイクロブログと緩く統合されること
- オープンプラットフォームであること
気まぐれな億万長者や株主に左右される中央集権的なサービスの方針に左右されず個々のサーバーとドメインで運用され、自身のコンテンツがブログとマイクロブログで生き別れにならず、オープンで緩やかなコミュニティを分散型で形成できるということです。これは少なくともTwitter(X)やFacebookの歴史で学んだ課題を回避しているように思えます。
Micro.blogの機能
Micro.blogはいくつかのクライアントをサポートしていますが、ここではMicro.blogのWebサイトまたはiOS/Androidの専用クライアントからの投稿を前提としています。
投稿
基本的な投稿画面はこんな感じです。
投稿は300文字ですが、日本語の全角文字でも1文字とカウントされます。また改行も一文字とカウントされます。
投稿はMicro.blogのタイムラインに保持され他のユーザーの投稿と共に表示されます。これはX(Twitter)のタイムラインと同様のものです。
投稿はMicro.blogのタイムラインだけでなく、同時にusername.micro.blog、または自身で設定したホスト名でのブログに記事として保持されます。このブログであれば、blog.yostos.orgです。
ハッシュタグ
Micro.blogでは現時点でハッシュタグは実装されていません。
ハッシュタグはフォロワーを超えてトピックをまとめる強力な方法となり得る反面、トラブルメーカーがハッシュタグによる検索結果を自分の無関係な発言で乗っ取る方法と成りえるからのようです。
代替として絵文字による検索コレクションが導入されています。これは予め決まった絵文字をテキストに含めることで特定のDiscoveryのフォルダに発言が収集されるしくみです。例えば📚という絵文字を入れると/discover/booksに収集されます。
注意点は、あくまでタイムラインに流れるテキストに絵文字が入っていることが前提になります。あとで述べる長い投稿の場合はブログ部分に絵文字が有っても収集されず、タイムラインに流れるテキスト2に絵文字が含まれている必要が有ります。
記事にはカテゴリを設定することもできますが、紛らわしいのですが絵文字の収集機能とはまったく異なる機能です。
長い投稿
Micro.blogが300文字という制限をつけているのは頻繁に書くことを奨励するためで、300文字を超える長文のエッセイや複数の段落を含む投稿を簡単に公開できます。
Micro.blogの投稿画面で300文字以上を入力すると、自動的にタイトルフィールドを表示します。タイトルを追加するか、空白のままにするかは自由です。タイトルを追加すると、公開時にタイムラインにはタイトルのみが投稿され、記事へのリンクが張られます。
記事は Domainを指定していなければ Micro.blog上でホスティングされる yourname.micro.blogというブログで公開されています。
タイトルを付けない場合は、タイムラインでは投稿は約280文字に切り詰められ、ブログ上の完全な記事へのリンクが表示されます。
タイムラインへの表示ルール
実際にはMicro.blogは、すべての投稿はHugoで管理されたブログ記事を生成し、そのRSSフィードをマイクロブログのタイムラインに変換して表示しているようです。その際に、いくつかのルールがあります。
- 投稿にタイトルがなく、300文字以下の場合、テキストは直接Micro.blogのタイムラインに表示されます。
- 投稿にタイトルがなく、300文字を超える場合、テキストは切り詰められ、ブログ上の完全な記へのリンクが追加されます。
- 投稿にブロック引用が含まれている場合、制限は600文字に引き上げられます。
- タイトルがあり、それが日付や数字のように見える場合、Micro.blogはそれを無視し、タイトルがないものとしてテキストをタイムラインに表示しようとします。恐らく日付やタイムスタンプをタイトルに設定するクライアントを想定しているのでしょう。
- タイトルがあり、投稿全体が実際には写真だけの場合、タイムラインにタイトルを使用しつつ、写真もインラインで表示されます。
- タイトルがある投稿については、文字数や写真の有無に関わらずタイトルのみがタイムラインに表示され、ウェブサイト上の完全な記事へのリンクが追加されます。
- リンクを追加する必要がある場合、Micro.blogはドメイン名を表示します。
Micro.blogは、HTMLタグに使用されている余分な文字を除いて、投稿のテキストバージョンの文字数をカウントします。
投稿・記事の編集
Micro.blogでは投稿・記事を編集や削除ができます。ただし、これまで見てきたようにMicro.blogではタイムライン上への「投稿」とyour.micro.blog上の記事の2つを生成していますので、以下のような注意が必要です。なお、Micro.blogでは外部のブログなどの記事を取り込むことができますが、以下で記載した内容はMicro.blog内の投稿・記事についての扱いを述べたものです。
- 記事を削除すると、タイムラインからも削除されます。
- 記事を編集すると公開されたウェブサイトには常に反映されますが、Micro.blogのタイムラインには投稿が公開されてから24時間以内でのみ反映されます。
投稿で使用できるHTML要素と属性
Micro.blogは、タイムラインに表示する前にブログ投稿から一部のHTMLを削除します。現在サポートされているHTML要素は次のとおりです:
Here’s the requested Markdown table:
HTML Elements | Attributes |
---|---|
a | href, title, class |
span | style, class |
b | |
i | |
img | src, style, class, width, height, alt |
strong | |
em | |
div | |
p | |
br | |
blockquote | |
ul | |
ol | |
li | |
code | |
pre | |
audio | src, controls |
video | src, controls, width, height, preload, poster, alt, playsinline, style, class |
source | src, type |
footer | |
del | |
s |
外部連携
私は利用していませんが、Micro.blogは外部のサービスの記事を取り込んだり、外部サービスに記事をクロス投稿したりすることができます。
- Medium
- Mastdon
- LinedIn
- Tumbblr
- Flickr
- Bluesky
- Nostr
- Pixelfed
Feiverse(ActivityPub)に対応
Micro.blogは散型のソーシャルネットワーキングプロトコルであるActivityPubに対応しています。これにより、異なるプラットフォーム間でユーザーがシームレスに交流することができます。
例えば、Micro.blog上でMastodonやPleromaといった他のActivityPub対応サービスのユーザーとフォローし合ったり、メッセージをやり取りしたりできます。
中央集権型のサービスに依存せず、コンテンツをユーザーが管理したまま異なるプラットフォーム間で相互のコミュニケーションが手軽にできるので、個人的には一番今欲しい機能です。
ActivityPub対応のサービスを利用している方であれば、 @yostos@micro.blog
で私をフォローできます。
ブログ機能
「長い投稿」でも書いたように、投稿はすべてブログの記事として管理されています。
ブログ機能としてはシンプルでHugoを利用しているようです。
記事ではMarkdown記法と一部のHTMLが使用できます。
Pages
Pagesはタイムラインや記事一覧には表示されない記事です。
投稿とことなり公開のためのURLが作成されるため、タイトルは必須です。例えば “About"というPageは yourname.micro.blog/about
で公開されます。
そのままではURLがどこにも公開されませんが、「Include this page in your blog navigation」にチェックすると、Page記事へのナビゲーションリンクが yourname.micro.blog
に作成されます。
Categories
各記事にはカテゴリーをセットすることができます。これは上記の絵文字によるDiscoverの収集とは別の機能です。絵文字である必要も有りません。
カテゴリーは自由に作成でき、投稿画面でポストごとにカテゴリーを競って出来ます。また、フィルター機能でタイトルや記事内に特定の文字が現れた場合に自動的にカテゴリーを付与することもできます。
ブログサイトのデザイン
Hugoベースのテーマがいくつか用意されています。Plug-ins
のメニューからインストールすることができるので、Hugoの知識は不要です。
また、テーマ以外にも機能を追加するPlug-inが提供されており、選択してインストールできます。私は次のようなものをインストールしました。
- Creative Commons license
- ライセンスタグを追加するプラグイン
- Alpine Theme
- Recommendations for Alpine
- Alpineテーマにサイドバーを追加しRecommendationsを表示するプラグイン
- Barefoot
- 脚注をポップアップで表示させるプラグイン
- Photos and screenshots
- PhotoページにJpegだけでなくPNG形式の画像も一覧するプラグイン
- Paginate settings
- ブログのホームページの記事を調整できるプラグイン
- Search page
- ブログに検索機能を追加するプラグイン
その他の機能
タイムラインや記事には登録されない Notes という機能があります。投稿と同じようにMarkdown記法が使えるメモのようなものです。
デフォルトではNotesは公開されませんが、Shareボタンを押すことで公開することができます。ただし、Shareしてもタイムラインや記事には登録されないので、発行されたURLを共有したい相手に送るひつようがあります。サンプルNoteを用意しました。
メールで流すには長い情報などをまとめて共有できますね。
また、読んでいる書籍を登録できるBookshelvesという機能もあります。英語圏の書籍しかサポートしていないと思いきや、日本の書籍もカバーされているので結構使えます。
次の3つのBookshelf
が予め登録してあります。
- Currently reading
- Want to read
- Finished reading
読み終わったら、Finished reading
の棚に移して、そのままNew post
ボタンで書評の投稿もできるので以外に便利そうです。