Weekly Buzz🐝 2024-08-30
今週の気になった記事や出来事は次の4つです。
- NVIDIA株価下落と米国経済
- Telegram CEOのフランス政府による逮捕
- 史上最強クラス 台風10号上陸
- 採譜ソフトウェアの定番 Finaleのフィナーレ
NVIDIA株価下落と米国経済
米国時間8/28の市場閉場後に注目されていたNVIDIAの株価ですが、時間外取引で6%程度 下落しました。Magnificent7の中でも急成長しているNVIDIAの株価下落は、今後の米国 経済の悪化の予兆のような論調もありますが、私自身は楽観しています。
決済自体は売上は予想を上回り過去1年で122%の成長を遂げており、確かに成長自体は鈍 化していますが、利益率は高い水準を維持しています。むしろ投資家のNVIDIAに対する 期待が高すぎた状態であったのが、調整が入ったと見ています。
また、Magnificent7が米国の成長を牽引しているとも言われますが、NVIDIAの株価と S&P500の動きはそこまで相関があったわけでもありません。株価は下落したものの、ビ ジネス自体は成長しており、AIを中心としたエコシステムが崩壊するような状況でもあ りません。
9月には利上げが予想されるので、10月くらいまでは上昇相場を期待できるのではないかと思います。
Telegram CEOのフランス政府による逮捕
パヴェル・ドゥーロフCEOは2024年8月24日に、パリ郊外のル・ブルジェ空港で逮捕されました。プライベートジェットで着陸してきたところを滑走路上で逮捕されたというのでかなり異例な状況だったのではないでしょうか?
容疑は「Telegramアプリを通じて行われている麻薬密売・マネーロンダリング・児童ポルノといった犯罪行為の共犯」ということですが、気になった点が3つありました。
まず第一に「これはフランス版Winny事件か?」と思いました。Telegramというメッセージアプリは確かにテロ組織で使われていると言われています。まだ詳細が不明なのでなんとも言えませんが、Telegramというプラットフォームを提供しているだけで「共犯」とされているのであれば、とんでもないことです。正に日本のWinny事件の二の舞いになりかねません。
第二にフランスという国のスタンスです。UAE国籍だったドゥーロフCEOにフランスのマクロン大統領が2018年のランチミーティングでTelgram本社のパリ移転と国籍付与を提案して、2021年に国籍取得という経緯を見るとズブズブだと思っていたのですが、今回のこの逮捕はなんなのでしょう。
第三にフランスとUAEがドゥーロフCEOのiPhoneをハッキングしていたという話もあります。Telegramは暗号化に強いというイメージがありますが、E2Eの暗号化をしていないので穴だらけです。さもありなんという印象です。
以下はよく比較されるメッセージングアプリの比較です。
Provider | オープンソース | E2E暗号化 | セキュリティ監査 | 暗号化されたビデオ通話 | Anonymous |
---|---|---|---|---|---|
Signal | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
Threema | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
Telegram | ✔️ | ❌ | ❌ | ✔️ | ✔️ |
こう見るとTelgramは暗号化もE2Eではされておらず、本当にテロ組織が使っているかと怪しく思います。
ちなみに私はスイス産のThreemaをメインで使用しています。
史上最強クラス 台風10号上陸
今週は水曜から史上最強クラスと言われる台風10号(ShanShan)が九州に上陸し、週明けにかけて日本列島を縦断していきそうです。歩みの遅い台風でなので、いつ両親の住む地域や私の住む関東に近づいてくるか神経質なくらいチェックしてしまいます。
気象庁やWeatherNewsのサイトではなかなか思った情報がタイムリーに得られないこともあるので、気象情報を提供するサイトをいくつか試してみました。気に入ったのはWindy.comとVentuskyです。
どちらもチェコ発のサービスですが、どちらも予報に特化しておらず詳細な気象情報をビジュアルなグラフィックで提供してくれる点が一方的な情報を垂れ流してくる日本の気象ニュースと違って私のニーズにあっています。またグローバルの予報モデルを複数サポートしている点が気象庁情報に大きく依存している日本のサイトよりも気に入っています。
どちらも機能的には拮抗しているように思いますが、次の3点からWindy.comを使用しています。
- Windy.comにはタイフーントラッカーという台風に特化したメニューがある
- Windy.comは今年から気象庁モデルにも対応を開始した
- Ventuskyの有料サービスはGoogle/Apple経由でしか購入できないが、Windy.comはクレジットカードやPayPal経由で支払いができる。
台風進路など気象庁モデルとヨーロッパのECMWFでは結構違うので参考にあります。有料サービスを購入すると1時間のメッシュで細かい予報も見れるので普段の生活でも役立ちそうです。
ビジュアルにアニメーションもついているので、スクリーンセーバー的に眺めていても飽きることがありません。
採譜ソフトウェアの定番 Finaleのフィナーレ
採譜ソフトウェアの定番 Finaleが開発・販売を中止することが発表され、採譜の世界で はデファクトスタンダードだったので業界は混乱しているようです。
曲の配布や演奏に「採譜」というプロセスが必要だった時代から、作曲過程からデジタ ル化され演奏まで直結できる現代において「採譜」の占める役割が大きく変わっていま す。デジタル化されているので作曲データをそのまま採譜として利用することも可能で す。
だからこそ「採譜」という領域にこだわって突き詰めたFinaleは存在価値があったので すが、採譜自体のニーズの低下に伴い他のソフトウェアの採譜機能で十分という状況は 必然でしたね。