関西旅行に行ってきました。秘境と言ってもよい山間部の温泉でゆったりしてきました。

今週は市川の強盗事件で犯人たちがメッセージングアプリのSignalを使っていたとの報道が気になったので、メッセージングアプリについてまとめてみました。

メッセージングアプリの総合比較表

以下は主なメッセージングアプリのついての比較をまとめた表です。

LINEについては、日本でもユーザーが多いので補足を入れています。

やはりLINEは暗号化も不完全でデフォルトの状態ですし、メタ情報1をかなり収集してお り、おまけに透明性の観点でもいろいろと問題2がありました。

犯人たちがSignalを使ったのも納得です。日本ではユーザーが少ないので利用シーンは限られますが。

次点で Threema ですね。私は家族で使用しています。

iPhoneユーザーであれば iMessage は無難でしょう。完全にE2Eで暗号化されており、メタ情報の収集はされているようですが、Appleなので多少はマシだと思います。

Telegram はテロリストが使用しているイメージはありますが、意外に脆弱です。

こう並べてみると、LINE を選択する意味が私にはわかりません。

機能/特徴 LINE Signal Threema WhatsApp iMessage Telegram
E2E暗号化 部分対応[暗号化WP] ※1 完全対応 完全対応 完全対応 完全対応 Secret Chatのみ
グループチャット暗号化 50人以下のみ[暗号化WP] 完全対応 完全対応 完全対応 完全対応 Secret Chatのみ
メタデータ収集 多い[PP] ※2 最小限 最小限 多い 中程度 中程度
データストレージ サーバー保存[暗号化WP,PP] ※3 端末のみ 端末のみ クラウド可能 iCloud連携時保存 サーバー保存
電話番号必須 はい[PP] はい いいえ はい いいえ はい
自動消去機能 24時間のみ[PP] 1秒~4週間 カスタム設定可 24時間~90日 2分~4週間 1秒~1週間
法執行機関への情報開示 多い[TR] ※4 最小限 最小限 多い 一部可能 最小限
追加機能 スタンプ/ゲーム/決済/音声・ビデオ通話[PP] スタンプ/音声・ビデオ通話 投票/音声・ビデオ通話 ステータス/音声・ビデオ通話/決済 Apple統合/音声・ビデオ通話 Bot/チャンネル/音声・ビデオ通話
オープンソース 一部のみ[暗号化WP] 完全対応 一部のみ なし なし クライアントのみ
  • ※1: LINEのE2E暗号化(Letter Sealing)対応範囲(doc.1)
    • 対応: テキスト・位置情報(1対1と50人以下グループ)、1対1音声・ビデオ通話
    • 非対応: 画像、動画、ファイル添付、50人以上グループ、グループ通話、LINEミーティング
  • ※2: LINEのメタデータ収集内容(doc.2)
    • アカウント情報(電話番号、メールアドレス)
    • デバイス情報(使用OS、言語設定)
    • アプリの使用頻度情報
    • 位置情報(設定による)
    • 友達関係の情報
  • ※3: LINEのデータストレージ(doc.1,doc.2)
    • メッセージはサーバーに保存
    • クラウドバックアップ時は暗号化解除
    • URL preview等の機能利用時はサーバーに内容送信
  • ※4: 法執行機関への開示可能情報(doc.3)
    • 7日分のテキストチャット履歴
    • アカウント情報
    • 通信ログ

判断は以下の[LINEの公式ドキュメント]より確認しています。


  1. メッセージ自体でなく付随する通信相手や時刻、頻度、位置情報などの情報。 ↩︎

  2. 2021年のZホールディングとの経営統合で、トークの画像などの情報が韓国の サーバーでホスティングされていたり、通報確認などが中国企業に委託されてい たり、このようなことが「第三国」としかレポートされていなかったりと透明性の観 点で問題がありました。現在は解消されたと報告されていますが。 ↩︎