Claude Proに週間利用制限が導入へ - 2025年8月28日から

Anthropic announced the introduction of weekly usage limits for Claude Pro users. This article explains the details and background of the new restrictions starting August 28, 2025, and response methods for affected users. (AnthropicからClaude Proユーザー向けに週間利用制限の導入が発表されました。2025年8月28日から開始される新しい制限の詳細と背景、影響を受けるユーザーへの対応方法について解説します。 )

By Toshiyuki Yoshida

2025 年 7 月 28 日、Anthropic から Claude Pro ユーザー向けに「Important updates to your Pro account usage limits」というタイトルのメールが配信されました。このメールでは、2025 年 8 月 28 日から導入される新しい週間利用制限について詳細が説明されています。本記事では、この変更内容と背景について解説します。

変更内容の概要

Claude Code1 の使用制限は、今後は以下のように追加されます。

  • 5 時間ごとにリセットされる利用制限(従来通り)
  • 7 日ごとにリセットされる全体的な週間制限(新規追加)

Claude Opus 4 についても、これまで明示的な週間制限はありませんでしたが、7 日ごとにリセットされる専用の週間制限が新設されます。

影響予測

Anthropic では、現在の利用パターンに基づき影響を受けるユーザーは全体の 5%未満とされており、大多数のユーザーは違いを感じることはないとのことです。

Pro ユーザーは週間制限内で Sonnet 4 を週あたり 40-80 時間利用可能とされていますが、この時間はコードベースのサイズや自動承認モードなどのユーザー設定により変動します。また、複数の Claude Code インスタンスを同時実行するユーザーは、より早く制限に到達する可能性があります。

私自身は先月まで MAX プランを試していて、Claude Code を使い倒しており、Pro にダウングレードしてからは集中して作業するとやはり制限に達してしまいます。Pro ユーザーでもなお、Claude Code を利用しているユーザーがそれほど多くないため上記の予測になっているのかも知れません。実際に Claude Code を使っていると、ちょっと制限を考慮して作業計画する必要がありそうです。

制限導入の背景

Claude Code、特にサブスクリプション・バンドルの一部として、前例のない成長を遂げています。この急激な成長により、システム容量に予想以上の負荷がかかっている状況のようです。Claude Code を使ってみるとわかりますが、一気に活用度も上がるのでこういった状況になるのは容易に想像できます。

合わせて以下のような問題も発生しているようです。

  • 少数のユーザーによるアカウント共有やアクセス転売などのポリシー違反
  • Claude を 24 時間 365 日バックグラウンドで実行するような極端な利用パターン
  • 200 ドルのプランで数万ドル相当のモデル使用量を消費するような極端なケース

これらの問題により、全ユーザーのシステム容量に影響が生じており、限られたコンピューティングリソースの問題に直面しています。これは最近多くの AI プラットフォーム(Replit や Anysphere など)が抱えている共通の課題でもあります。

Anthropic は、メールの中で「この同じ期間中に、ユーザーがいくつかの信頼性とパフォーマンスの問題に遭遇したことを認識している」と述べています。これらの問題は、システム容量の逼迫と関連している可能性があり、同社は「これらをできるだけ迅速に修正するために取り組んでおり、今後数日から数週間にわたって残りの問題に対処し続ける」としています。実際、7 月中旬頃から、Claude Code ユーザーが予期せず制限的な利用制限に直面する問題が発生していました。

Anthropic は今回の新しい利用制限により、アカウント共有や転売などのポリシー違反への対処、24 時間 365 日のバックグラウンド実行による過度な利用の抑制、そして全ユーザーに対するより公平で信頼性の高いサービス提供を目指しています。

影響を受けるユーザーへの対応方法

週間制限の影響を受ける可能性のあるユーザーは、以下の対応を検討できます。

  • 利用パターンの見直し:並行実行を避けたり、利用時間の分散など効率的な利用を心がける
  • サブスクリプションの管理:必要に応じて一時的に MAX プランへの変更を行なう
  • 代替オプションの検討:Claude Code に過度に負荷をかけない作業パターンを検討する

私自身が最近行なっているのは、次のような対応です。

  1. いきなり Claude Code を使うのでなく、事前にClaude.mdで開発方針やアーキテクチャー、コードの構成、使用フレームワーク、テスト方針、テストフレームワークなど細かく記載しておく
  2. 問題が発生した時は、Claude Code に拘って解決するのでなく、一旦状況を整理してClaude.mdに記載させる。その後、問題の解決方法を練って、Claude.md に対処方法を記載した上で Claude Code に戻る
  3. 上記のいずれの作業も Claude Desktop の支援が期待できる。つまり設計は Claude Desktop として、Claude Code は実装に特化させるアプローチである。Claude Code を Claude Desktop の MCP サーバーで登録しておけば、Claude.md を通してスムーズに連携できる

まとめ

Anthropic は急速な成長、ポリシー違反、極端な利用パターンによるシステム負荷の増大に対処するため、この制限導入を決定しました。大多数のユーザー(95%以上)には影響がないとされていますが、重度の利用者にとっては利用パターンの見直しが必要になる可能性があります。

今後も開発者の利用パターンを学習し、コミュニティのニーズに合わせて制限を調整していく方針が示されており、Anthropic が Claude Code の持続可能な運営を目指していることが伺えます。

Footnotes

  1. Claude Code は、Anthropic が提供する開発者向けのコマンドラインツールです。ターミナルから直接 Claude にコーディングタスクを委託できる機能です。このツールにより、開発者は複雑なコーディング作業を Claude に任せることができ、生産性の向上が期待できます。