Nothing Phone (3)を購入
Pixel 8 Proからの買い替えでNothing Phone (3)を2週間使用したレビュー。透明な背面デザイン、Glyphマトリックス、Nothing OS 3.0の使い勝手、カメラ性能などを詳しく紹介。デザインにこだわりがあるユーザーにおすすめの一台。
By Toshiyuki Yoshida

Pixel 8 Pro のバッテリーの持ちが悪くなってきたので、日本での発表当日 Nothing Phone(3)を予約購入しました。 8 月末に届いて 2 週間程使ってみたので、レビューとしてまとめたいと思います。
Nothing Phone (3)の背面デザイン
Nothing Phone (3)の最も特徴的な部分が背面のデザインだと思います。 ガラスの透明なボディ内部には複数のパーツが複雑に組み合わされたような造形が見えます。 特にカラーがホワイトの場合に、より鮮明にこれらのデザインが目に付きます。 実際にパーツの一部が露出した造形でなく、機能のない全くの「デザイン」です。
工業製品ではデザインは機能の帰結としてある「機能美」を支持しますが、 iPhone と Android の区別がつかないノッペリしたデザインばかりのスマートフォンの現状を鑑みると、 フェイクでも「何か機能的」と感じさせるデザインについて嫌いではありません。 唯一中心部にある赤い四角はレコーダーアプリ起動時には赤く点灯します。
グリッドに沿って配置されたカメラのレンズは大仰にも感じますが、 3 連や 4 連で縦や横一連に並んだレンズの気色悪さよりよほどマシです。
Nothing Phone の特徴であった「Glyph インターフェイス」はコスト削減のためか 「Glyph マトリックス」というドットマトリックスを表示できるディスプレイに 変更されました。今のところ特定の条件(通話相手やアプリなど)により 特定のアイコンを表示することと、Glyph Toy の表示くらいしかできません。
Glyph Toy はじゃんけんや瓶回しなどあまり実用的でないものしかありませんが、 そのうちこれを利用できるアプリが出てくるとよいなと思います。
Nothing Phone (3)の性能について
プロセッサは Qualcomm Snapdragon 8S Gen 4 で、私が購入したモデルは ストレージ 512GB モデルで、メモリーは 16GB です。
Galaxy 辺りのハイエンドを比較すると見劣りしますが、 私は負荷の高いゲームなどあまりやらないので十分です。この 2 週間で不満を感じたシーンは全くありませんでした。
ディスプレイは 6.77 インチ、1,260×2,800 ドットのフレキシブル AMOLED です。 明るさは通常 800nit、屋外 1,600nit なので、ハイエンドには及ばないものの十分だと感じます。
カメラ性能は Pixel 8 Pro と比べてしまうと、若干使い勝手が悪かったり AI 補正は弱いと感じます。 メインカメラは 1/1.3 インチと大型センサーを搭載し 35mm 換算 24mm/F1.68、ワイドが 15mm/F2.2、望遠が 70mm/F2.68 で解像度はどれも 50MP なのでそれなりの画像は撮れます。
Nothing OS 3.0と独自アプリ
Nothing Phone (3)には Android 15 をカスタマイズした Nothing OS 3.0 と Nothing 独自アプリが搭載されています。
予め統一感のあるデザインされた独自の Home アプリと Wedget、アイコンパックが提供されている Nothing OS 3.0 は、 「もうこれでいいや」と思える程度にセンスよくまとめることを簡単にできます。最初は楽しかった Android の Home アプリのカスタマイズが最近は苦痛だったので、非常にありがたいと思いました。
独自のギャラリーやレコーダーアプリ、お天気も使い勝手が良く、デザインが統一されているので Wedgit も利用価値があります。 AI を活用した Essential Space はまだ使い込んでおらず、あまり恩恵を感じません。
Out of Boxですぐに使える
Nothing Phone (3)はその背面デザインをスポイルしないトランスペアレントなケースが付属している上に、 ディスプレイには予め保護フィルムが貼ってあり自分で購入して貼る必要がありません。 箱から出してすぐに使い始めることができるので、これは非常に好印象です。
ケースに特に不満はありませんでしたが、Glyph マトリックス部分が保護されていない点と 素材的に黄ばみそうな気がしてSpigenのクリアケースに差し替えました。 保護能力は折り紙付きで Glyph マトリックス部分もしっかりケースで覆われます。また黄変を抑制する特殊素材を採用されているので黄ばみも押さえることができるのでお勧めで す。
まとめ
Nothing Phone (3)は 2 週間使ってみて非常に満足度の高いスマートフォンでした。
突出して高機能ではありませんが、もはやミッドレンジ以上であれば私の使い方では差が感じられないので十分です。 カメラも Pixel には及ばないものの、SNS 投稿や記録用途には問題ありません。
背面の透明デザインは賛否が分かれるかもしれませんが、他社の似通ったデザインに対する明確な差別化になっており私は好感を持ちました。 Nothing OS 3.0 と独自アプリの UI は本体背面とも統一したデザインがなされており、他の違うセンスよさげな雰囲気を醸し出している点が好きです。
Glyph マトリックスはまだ活用の幅が狭いものの、今後のアプリ開発に期待が持てます。
デザインにこだわりがあるユーザーには、所有する喜びを感じることができお勧めできる一台です。