OpenAI Chairman Says a Dot-Com-Like Bust Wouldn’t Be All Bad

OpenAI会長のインタビューから、生成AIブームとドットコム・バブルの比較、創造的破壊の重要性を考察。日本の補助金政策が経済の新陳代謝を妨げている問題と、実質的な価値を生まない見かけ倒しのAIプロジェクトへの警鐘について論じる。

By Toshiyuki Yoshida

OpenAI Chairman Says a Dot-Com-Like Bust Wouldn’t Be All Bad

Bloomberg に掲載された OpenAI 会長 Bret Taylor のインタビュー記事です。

今の生成 AI ブームを 2000 年代のドットコム・バブルと重ねて、 バブルが崩壊したとしてもそこから Google や Amazon のような企業が 生まれ生き残り次の世代の主役になったことを考えると、健全だと語っています。

確かに今年のノーベル経済学賞を受賞した「アギヨン・ホーウィット理論」 でも「創造的破壊」が経済発展を齎すことを数学モデルで証明しています。 この理論からも、バブル崩壊が必ずしも悪いことではないと言えるでしょう。

翻って日本の現状を見ると、国や自治体が補助金や支援策で会社を潰さないよう延命させる政策が当然のように行われています。 しかし、この理論に従うと、これは「創造的破壊」を阻害し、経済の新陳代謝を妨げる決定的に間違った政策です。 非効率な企業を温存することで、本来そこに投入されるべきリソース(人材、資金、土地)が、 より生産性の高い新興企業や成長分野に回らない。この硬直化が日本経済の停滞の一因となっています。

また、Taylor 氏が指摘する上司や取締役を喜ばせるための見かけ倒しの AI プロジェクトはやめるべきだという警鐘も重要です。 先日、方針やビジョンを出さないにも関わらず、「課員に向けた生成 AI 研修をやってくれ」という 厚顔無恥さを発揮した理事長を目にしました。 これこそ、実質的な価値を生まない「見かけ倒しの AI プロジェクト」の典型例でしょう。